GT伊藤直樹さん待望の新刊「伝わる」のルールを献本いただきました。インプレスの藤井編集長&敏腕出版プランナー松永さんのコンビがまたステキな本を我々に提供してくれました。ありがとうございます。
この本は伊藤さんが「広告学校」の講義をベースにした内容になっています。本人の語りと生徒とのインタラクティブなやりとりを通じて我々は伊藤さんの「伝わる」ルールを、あたかもその講義に参加しているかのごとく学ぶことができます。
私も宣伝会議の「WEB広告プランニング講座」で伊藤さんと共に講師として参加させてもらってますが、実は2年前の彼のコマに宣伝会議さんへ頼みこんで参加させてもらいました。過去にお仕事もご一緒させていただいたし、本も共著で出させてもらったりしましたが、改めて目から鱗の「スゴイ講義」でした。今まで講義を受けた中で一番衝撃的で、かつ今でも強烈に影響を受けています。そんな「スゴイ講義」がそのまま本になったわけですから、買わずにどうする!と私はこの本について思います。ちなみに一切お世辞なしのコメントです。
2年前の衝撃を経て、またこの本を通じて伊藤さんの講義に参加させてもらったわけですが、「あ~、自分にはここが足りないな~」とか「これはちゃんと改善しないと」と思わされ、グサっと心に刺さる部分多しでした。いくつか、刺さった部分をご紹介します。
質問って、インタラクティブなだけでなく、すごくクリエイティブな行為だと思うんですよね。訪ねることで、相手の答えをつくり、コミュニケーションをつくるわけですから。
ぼくらのふだんの仕事でもそうなんですよ。オリエンテーションや打ち合わせでも、クライアントに対して、的を射たことを訊けるかどうかで、アウトプットがずいぶん変わってきます。それくらい質問する力ってとくに広告をつくるような仕事をしている人にとっては大切なんです。
講義も一方的に話すのではなく、生徒から質問を受けながら進めていく。実際に仕事の中でもクライアントやチームと納得いくまで話し合う現場の姿を僕は生で体験させてもらいました。人生すべてがインタラクティブという伊藤さんの生き様が強く印象に残る一節でした。ちなみに質問力をつけたい方はこの本(人を動かす質問力)がオススメです。
最初はまずコアとなるコンセプトを探すところからはじめることが多いと思います。インサイトといってもいいかもしれないけど、簡単にいえば、商品との関係のなかで受け手に共感してもらえるポイントを探すんです。
それが見つかれば、伝えなくてはいけないことやメッセージがはっきりしますから、世の中とのコミュニケーションを成立させるのに、何が必要かも見えてくるんですよ。
これはあくまでぼくの主義なんですけど、最大のよりどころは自分がしてきた“経験の記憶”です。
伊藤さんと企画を一緒にしていた時、一番多く時間を使ったのは各々の子供の頃の記憶を引っ張りだすことでした。最初はなぜだろう?と思っていたのですが、後に「ネオテニー」という言葉の意味を佐藤富雄さんの本(脳が悦ぶと人は必ず成功する )で知り、深く納得したのでした。「大人になった今でも子供の頃の記憶として残っているものには強烈な体験が伴っているもので、それ以上に強いインタラクティブはない」というような事を酔っぱらいながら語ってくれた台詞は今でも一番大切にしている言葉のひとつです。
そして、最後にもう一度、どうしても強調しておきたいのは、ウェブをからめたり、インタラクティブコミュニケーションを使ってキャンペーンを考えたりするときに、けっして「仕組み論」だけに走ってはいけないということです。
やっぱりメッセージは表現で伝えるものなんですよ。もしかしたら、表現でなきゃ伝わらないといってもいいかもしれないくらいです。このことは、ぜひ肝に銘じてほしい。
マスメディアの減退、そしてソーシャルメディアの時代へと変化を遂げる真っただ中、従来型の広告に対する不要論が語られる事が多くなりました。「クリエイティビティこそが人間の行動を変える」という信念にもとづいて新しい広告のあり方を我々の世代が作っていかなくてはいけないのだと思います。
この先は、間違いなく、いまよりもっと「体験」がメッセージを代弁するようになるはずです。
伊藤さんの言う「体験」が今後どのようにメッセージを代弁するようになるのか?この本にはそのヒントがたくさん書かれています。次世代型広告の鍵を握るための考え方を学びたい方は是非手に取ってみてください。
インプレスジャパン
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