会社が季刊で発行しているニュースレターの「最新トレンド分析」というセクションで「日本初!ブログ活用マーケティングキャンペーンの現場から」というタイトルのコラムを書きました。個人的には「日本初!」という部分にツッコミが入りそうなのが若干気になるが、ニューズレターを作っているスタッフのオススメなので・・・ま〜いいっしょ(笑) PR部に確認したらブログへアップしても良いという許可がでたので、せっかくなのでアップします。
日本初!ブログ活用マーケティングキャンペーンの現場から
2004年9月18日に弊社はP&G社の洗剤ブランド、アリエールで大手企業のマーケティング・プロモーション分野では日本初となるブログを活用したキャンペーンサイト「アイ・ラブ 困ったさんコンテスト」(http://komatta3.jp)を立ち上げた。このキャンペーンサイトは「家事の手間を増やす“わが家のラブリー困ったさん”」をテーマに消費者の周りで起こったさまざまなエピソードを募集し、その中から優秀な作品を毎日ブログ上で紹介していくという企画だ。ブログで紹介されたエピソードは消費者による投票やトラックバックを使って最優秀作品「キング・オブ・困ったさん」が選ばれる仕組みが用意され、ブログのコミュニティ特性を最大限に活かした消費者参加型のキャンペーンとなっている。最優秀作品へは中国福建省の旅5日間、投票やトラックバックを行った参加者にはアリエール半年分相当が当たるという賞品も用意した。最近は日産自動車や味の素といった大手企業が続々とブログを活用しはじめたが、「アイ・ラブ 困ったさんコンテスト」が採用したキャンペーン手法は世界をみても斬新である。
ブランド構築及びマーケティング・ミックスとしてブログを活用する上で注目すべく点は「深い」コミュニケーションを通じて消費者と「深い」絆を築くことが可能なメディアである事だ。企業もこの可能性に期待しており、マーケティングツールとしてブログ利用に注目し始めた。企業がブログを活用した事例を紹介するサイトとして有限会社イーナチュラルが運営する「ビジネスブログ」(http://www.businessblog.jp/)がある。ビジネスにブログを活用するためのアイディアを検討したい、又は同業界のブログ事例をまとめて閲覧したいという方には是非オススメしたいサイトだ。
企業がブログを活用することで得られる効果としては、
1. 企業やブランドへのファンを作り、ブログへのリピートアクセス化を通じてコアなファンへと育てる事が可能なツールである。
2. 自社及びブランドに関する消費者の生の声をリアルタイムで吸い上げ、インタラクティブかつポジティブに消費者と企業がコミュニケーションを図る事が可能なツールである。
3. 「トラックバック」というブログ特有の機能を効果的に活用することで口コミを発生させる事が可能なツールである。
といった点であろうか。しかし、トラックバックを通じて消費者とのダイレクトなコミュニケーションが可能となる上でのリスクも伴う。それは企業が期待したポジティブな反応ばかりが得られるとは限らないからだ。その為にもネガティブなコメントや誹謗中傷等が起き難い環境作りの工夫や運営ノウハウを事前に習得しておく必要がある。
企業がマーケティングツールとしてブログを活用するメリットを簡単に紹介したが、単純にブログを使用する事でこれらの効果を得られるわけではない。インターネットは従来のマス広告のようなプッシュ型手法ではなく、プル型だ。ブログを活用して企業ビジョンやブランドエッセンスを効果的にコミュニケーションする上でのクリエイティブ力。これこそが消費者をプルする上で極めて重要な要素となる。
最近は消費者の購買行動に対して従来のマスメディアが与える影響力及びパワーバランスの変化がより加速している。まさに従来の4マス(TV、新聞、ラジオ、雑誌)にインターネットを加えた「5マス時代の到来」と言える。今後もより一層メディアとしてのパワーを増していくと予想されるインターネット。インターネット技術の進化と共に、ブランド構築やマーケティングを効果的に行う新手法の出現も期待される。「将来的には、ほとんどのウェブサイトがブログになり、ブログという言葉が特別には使われなくなるかもしれません。」これはブログASPサービスの「ブロガー」を開発したエヴァン・ウィリアムス氏による発言だ。ブログの進化はインターネットの進化を影響する大きな存在となりそうだ。「ブログ」、2004年の日本におけるインターネット業界のトレンドを紹介する上でこのキーワードを避けて語る事はできない。
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