僕のアイドル木村剛氏 aka ゴーちゃんが【週刊!木村剛】で<「広告の奴隷」から「広告の主人」へ [コラム] >というコラムを先日書いた。
広告業界に身をおく一人として是非このコラムにはトラックバックしたいと思う。僕は現在某外資系広告代理店のデジタル部という部署でメディアプランニング/バイイングを除いたインターネット広告/マーケティング全般のプランニング、プロデュース、クリエイティブディレクションみたいな仕事をやっている。このデジタル部は2000年に創立された部署で、過去4年間数々の試行錯誤を繰り返し、数多くの失敗も経験してきた。昔に比べれば最近はちょっと落ち着いてきてはいるが、まだ色々と試行錯誤中だったりする。僕は部署創立メンバーの一人であり、約4年間ずっとこの荒波に揉まれ逆風のど真ん中(やや先頭ぎみ)に身をおいてきた。幸いにも、僕はまだ立っている(笑)。
なぜ、僕はこういう前置きを書いたか?それはインターネットが今日のように一般的になるまで本当にチャレンジングな日々を送ってきたからだ。広告業界の中ではゴーちゃんの記事にもあるように
ドラッカーの第一法則 from p.63 戦略経営の発想法 木村剛著
そんな中、従来のマス広告のパワーが減退してきているというのは事実だと思う。チャンスだ。広告業界でも何か新しいムーブメントが起こるのは時間の問題だ。その中でインターネットというのがキー・ドライバーになってくれるだろうと思う。っていうかそうなってくれないと、今まで日陰でちょこちょこ努力しては理解されず、馬鹿にされ、マス広告至上主義者様に見下されてきたオレが困るっつう話だ(笑)。
■ Power to the People
これからのムーブメントとは?オレはやっぱり Love, Unity, and have some fun っていうヒップホップ文化の基本としてZulu Nationが掲げてる理念が好きだ。いきなり話がずれたように思うだろうけど、実はずれてないんだ、これが。
LOVE
広告自体玉石混合比率が高いのは事実。広告が好きなら「玉比率」を大幅に改善しよう。
Unity
「TV vs インターネット」とか「新聞 vs インターネット」って戦わせるのも異種格闘技ファンとしてはちょっと面白い気がしなくもないが、最近あまりこの戦いって意味がないような気がしてきた。格闘家に例えればTVはミルコ・クロコップのハイキックみたいな一撃必殺系、もしくは野獣ボブサップのような圧倒的なパワーと突進力を持つ媒体。新聞は立って良し、寝て良しのトータルファイター、PRIDEヘビー級チャンピオン、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラのような媒体。そしてインターネットは、う〜んそうだな、技と柔で勝負の吉田秀彦、もしくはゴーちゃんが好きな「関節の魔術師」ヴォルク・ハンみたいな感じかな?IQレスラー桜庭っていうのもいいな(笑)。ちなみに、僕は決して格闘ヲタではないので鋭い突っ込みいれられるとすぐタップするのでそこんとこよろしく。
僕は従来のマス広告は暫く無くならないと思うし、無くす必要もないと思う。むしろ、広告主として一人のファイターを選ぶより、それぞれ個性的で必殺技が違うファイターを選んで組み合わせた方が絶対いいに決まってる。広告主が訴えたい内容、実現したい事を彼等が選んだそれぞれのファイターにそれぞれのやり方で消費者をKOもしくはタップさせればいいじゃん。広告業界の専門用語だとホリスティック・マーケティングとかっていうらしいけど。
今まで、マスとインターネットの連動、マスとプロモーションの連動って全く取れてない事が多かった。特にインターネットにおいては別予算、別部署、&よくわからないから適当にやっといて〜、みたいなノリ。ネットは派手さにおいては打撃系ファイター(マス)には劣るけど、寝技屋さんはちょっと時間かかるけど色んなテクニックや魔術使ってネチネチと攻めるんだぜ。打撃系はKOで無意識の降伏だけど、間接系は相手を自ら意識的に「まいった!あんたの勝ち」って言わせちゃうんだから。その後の効果が長続きするわけだ。最初は打撃で倒して、その後寝技で攻めようと思ったらマスとネットの密な連動って超重要よ。だから、「なんかよくわからん!」とか「ネットはできるだけ早く安く」なんて言ってないで、そろそろ本腰いれて予算もかけてやった方がいいと思うよ。同時にネット関連の仕事している人達は安売りしすぎないように、最終的には自分達の首絞めてるんだから。
Have some fun
これからはマスの特性を最大限に生かしたTVCMやら新聞広告打って、ネットに引き込んで、ネットからイベントに発展して(この前の「木村剛とブロガーのオフサイド取引」みたいにね)、店頭からもネット(携帯)に引き込んでみたいな感じでありとあらゆる必殺技を開発できるわけだ。だから、「所詮ネットなんて...」とか「TVの時代は終わった...」みたいな「木を見て森を見ず」的な事いってないで色んな媒体の組み合わせを考えて楽しく広告主の為にも消費者の為にもなる広告作ればいいじゃん。いつもコラボとかタイアップの提案とか懲りずにやらされてるんだからさ(笑)
■ Power to the Bloggers
ブログの登場によってネットの在り方はかなり変化すると思う。ブログっていうかCMSとXML技術の向上は、ネット業界内でも久しぶりの革命的な存在じゃないかと思う。技術屋じゃないのでここらへんを細かく突っ込まれるとすぐタップするんで、そこんとこよろしく。
「木村剛とブロガーのオフサイド取引」に参加していた大御所ブロガーズの一日平均PVとか聞いてもぶったまげたからね。個人のブログが立派なメディアとして成立している。そうなるとそのブログの影響度ってすごくデカイし、アフィリエイトの可能性とかも高まる。
今後は従来のバナー広告はよりフラッシュや動画を使ってリッチな内容に進化してネット上での認知促進系広告(シャワーでずぶ濡れ系)として進化するだろうけど、ブロガーが急激に増加している今日この頃、今後はアフィリエイト的な手法がドンドン増えていくような気がする。これまた寝技チックな必殺技が色々開発される事だろう。
■ 広告維新
とりあえず言いたいことはインターネット広告のみならずマス広告も変革期にある。明治維新にちなんで、広告維新だと思うので既成概念や過去がどうこうっつうのは取っ払って現実と将来をしっかりと見据えて変わっていく必要があると思う。今後広告代理店は従来のメディアの問屋的ビジネスモデルを改善していく必要があるでしょう。
偉そうな事言ってんじゃね〜!この若造!って広告業界の重鎮に怒られそうだ(ビクビク)。
Trackback ありがとうございます。う〜ん、ソウルフルでクールなエントリだ。
Web を公開している企業は多かれ少なかれ、それを通じたアドバタイジングのログトレースをマーケティングに結び付けようという試みを始めているはずです。私の役割は、今まではどちらかというとそのエヴァンジェリスト的なものだったのですが、今後はそこから脱却し、Everybody Have Fun Tonight (Wang Chung) な環境を与えてやるのが今後のミッションになると思います。
投稿情報: McDMaster(マナル店長) | 2004/04/04 18:06
Google adsみたいなXML系の配信でアクセス誘導してリンク先のリッチ系のコンテンツで勝負する広告モデルってもうあるんですかね?リッチ系とXMLがもっと仲良くなれば、Semantic Web化が加速するかも。
投稿情報: shom | 2004/04/04 18:27
マナル店長>
以前社員旅行のパーティ俺の80s DJで超みんなをロックさせちゃった事があったんです。で、明日うちの会社の社長の送別会があるんですが、社長からの指名でまた80sでDJやってほしいと。Everybody Have Fun Tonight (Wang Chung) も絶対かけて欲しいと…(笑)。どっちかっていうとDisco Funkっぽく4つ打ちベースでクールに熱いセットにしようと思ってますがやっている最中にアノ曲かけろ!コレかけろ!ってみんながうるさくなりそうです。CDJがなかった頃はアナログねーから無理だっていう言い訳ができましたがCDJ&CD数十枚をみっちり用意されちゃったので、どうなることかちょっと恐いです。ここで自分を出す必要もないので適当にやりますけどね(笑)
Shoma>
初コメント、サンクス!
せ、せ、せまんちっくうぇぶ?
初めて聞いた言葉なので調べました。あ〜、なるほどRDFとかメタデータとかね…って細かくはわからんが、なんとなくわかった。当面企業サイトはFlash + XMLっていう作りになっていくと思います。
投稿情報: 29 | 2004/04/05 11:50
初めてコメントさせていただきます!
話はちょっと違う方向ですが、、、。
以前行き詰りを感じた時、上司に「おまえはパンクだろう!」と言われ、「そうだ!私はパンクスだった!」と、単純に元気になったものです。自分の根底にあるものを忘れそうになりがちですが、たった一言で復活した事を、29さんの理念を読んで思い出しました。
そして、行き詰ってるヒマはなかったんでした!さー、では仕事に励みます(笑)
投稿情報: タカハシ | 2004/04/05 17:42
タカハシさん>
コメントありがとうございます。
タカハシさんはもしかしてこちら
http://www.pepecalifornia.com/
のメンバーだったりします?
投稿情報: 29 | 2004/04/05 20:02