小鳥さんの【逝去した、とある才能あるハウスダンサーについて(ムービー付)】を読んで感じたこと。それは・・・
オンリーワンへの道ほど苦しい道はない
誰もが知っているSMAPの(槇原敬之の?)世界に一つだけの花では「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン♪」っていうリリックがあって、去年はこの曲で多くの人達が救われたことでしょう。29manもこの曲は好き。ただ、存在がオンリーワンであり、それ自体が素晴らしいという事で終わるのであればよい。しかし、色々突き詰めて考えていくとオンリーワンになる為にはナンバーワンになるよりも遥かに孤独で終わりのない道のりを進まなくてはいけない事を意味する事だと思った。
ナンバーワンとは明確な基準に対する評価である。例えば相手よりも多く売る、多く稼ぐ、早く走る、早く泳ぐ、遠くへ投げる、遠くへ飛ぶ、多く点を取る・・・そういった評価基準もしくはルールに則った状態で競うわけだが、オンリーワンはそういった明確な評価基準がない。そして、オリジナリティとは果たしてそれが良いのか悪いのか?評価する人によって異なる可能性がある。
そんな中、彼は、オリジナルだったんだ。明らかに彼にしかできない、感動的なまでに彼らしい踊りだったんだ。ちくしょう、ハウスでオリジナルだったんだぞ。凄いんだ。
29manも決して巧くはなかったが大学時代にアメリカで真面目にダンスを踊っていた時期があった。インディアナ大学の African American Arts Institute(AAAI) というところでアジア系ダンサーとして初めてAAAIのステージに上がったりしてたわけだ。1年間AAAIでアメリカをツアーしたりしながら大変貴重な体験をさせてもらったが、29manはダンサーになる為にアメリカの大学へ行ったわけではなかったので辞めた。でも実はそれ以上に辞めた理由はあって、それは小鳥さんが書いていたこの壁・・・日本のストリートダンスのシーン、特にハウスは、僕から見ると、猿真似が極めて多い。黒人の○○にスタイルが似てるということが褒め言葉になっているケースすらある。「しょせん向こう(アメリカ)もののカルチャーだからさ、真似でいいんだよ」という人もいる。ストリートダンスは個人の表現なのに、チームで踊ることが多いせいか、他の人と合わせることに集中している人も、たくさんいる。「オレはオリジナルだ」と言ってるのに、よほどの玄人じゃないと、他の人との差が判らないような人もごまんといる。
を乗り越えられない自分がいて、それを死ぬほど努力して乗り越えたいと思えるほどの情熱、度胸、そして覚悟が自分の中にはそなわっていなかった。それがダンスでも、スポーツでも、仕事でも何に対しても成功するために必要な大切な要素だと思う。素質とか環境とかより、何よりも・・・彼はとても真面目で、いつもダンスについて熱く語っていた。何が良いもので何が良くないものか。どうすればもっと良くなるか。求道者のように、独自の道を追求していた。自分のレベルが他の人より明らかに頭ひとつ飛びぬけているのを知っていて、なおかつとても謙虚だった。
29manはオンリーワンを極めた素晴らしいダンサーである彼に見習いたいと思う。
このエントリーは小鳥さんの友人であるハウスダンサーの人生に最大限のリスペクトを贈る為のもの。
R.I.P
自分の知っているダンサーが何人か、若くして亡くなっています。
どいつも、ものすごい才能があり、本当の意味でのオリジナルなダンスをするダンサーでした。
シーンへの影響力も絶大でした。
オリジナルを追求する孤独な作業というのは、時に諸刃の剣なんでしょうかね・・・。
ご冥福をお祈りします。
投稿情報: ちぶさん | 2004/08/30 01:00
> 自分の知っているダンサーが何人か、若くして亡くなっています。
マジですか・・・
悲しすぎる・・・
投稿情報: 29 | 2004/08/30 20:36
不思議とね・・・
投稿情報: ちぶさん | 2004/08/31 00:02